鈴木友昌氏・講演会2

2018年1月3日

鈴木友昌氏・講演会1より
最初、留学するつもりはなかったが、ロンドンで出会った日本人留学生に
勧められ、大学時代のポートフォリオを持って大学院を受験し無事合格。
ヨーロッパの美大では技術よりも論理を重視するため、日本とのギャップ
に悩んだが、あえて日本で身につけたスキルを武器としていくことにした。
デビューのきっかけは、彼の担当教授から「面白い学生がいる」と紹介さ
れた知人のアメリカ人コレクターが、彼の作品を買い取ったことだという。
それを聞きつけたドイツのギャラリストが興味を持ち契約が成立。それ以
降、地道な発表活動を続けながら生活の基盤を築いてきた。
現在はトラファルガースクエアでのプロジェクトにも携わっている。そん
な彼も若い頃は、長期的展望を持って人生の岐路に臨んでいた訳ではない
という。ただ、どんな状況におかれても「その時出来ることに精一杯取り
組む」という姿勢を貫いてきた。まず行動してから考えるという訳だ。
この姿勢は制作者として信用できる。講演の後、個人的に話を聞きにきた
学生たちに、受験に向けての心構えについて問われ「何とかなるから、そ
んなに不安がらずにその日出来ることを精一杯やればいいんじゃない」と
語りかけていた。学生たちにじっくりと味わってほしい言葉だ。
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自分の経験から、現在のヨーロッパのアートシーンまで、丁寧に分かりや
すくお話しいただきました。