デザインの教科書
2011/11/09
講談社現代新書の「デザインの教科書(柏木博・著)」を読了。モダンデザインについて、作り手の立場だけでなく、様々な視点から切り込んだ著書でした。
デザインというと、ついつい造形の美しさ、かっこよさに注意が行きがちですが、モダンデザインとそれ以前のものを隔てるのが、工程と予算を管理、そして、生活の提案であるという指摘には、産業や社会構造の変化とデザインが密接に関わっていることを再確認させられました。
また、ヨーロッパ(イギリス)のアーツ&クラフツ運動や日本の民芸運動を例に「受け手の美意識」を「デザイン」という行為の重要な要素として挙げています。つくるのも「デザイン」、使うのも「デザイン」。日頃、どうしても我々は作り手の論理に陥りがちですが、人の暮らしをいろんな意味で豊かにしようとする行為の総体を「デザイン」と考えるべきなのでしょう。
学生や現役美大生の指導スタッフにはぜひ読んでほしい本です。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません