コラグラフ

2018年1月1日

昨日、今日と新松戸まつりで、けやき通りは大変なにぎわいだったそうです。そんな中、アトリエ新松戸受験部およびカルチャー教室は通常授業。一部カルチャー教室の生徒さんで「孫がお祭りでくるので……」という理由でお休みされた方はいらっしゃいましたが、ほぼ皆さん出席。この暑い中、本当にまじめ&熱心だな〜とつくづく感じました。

受験部では、少し毛色をかえて「コラグラフ」の授業を行いました。「コラグラフ」とは、様々なものを張り合わせて作品化する「コラージュ」と、「図像」や「図案」を意味する「グラフ」を合成した言葉で、様々なモノを台紙に張り合わせて版にする版画のことをさします。

木版や銅版、リトグラフのように、技法として確固としたものが無いためか、あまり美術大学では教えないようですが、なぜか我が母校である筑波では、版画基礎実習で絵画系の学生はほぼ全員が体験しました。かなり出来の悪い学生だった自分ですが、この版式はとっても気に入って自分なりに工夫をした覚えがあります。

コラグラフ|製版中
ハガキ大の台紙に様々なモノを貼付けて版をつくっています。

コラグラフ|印刷サンプル
こちらは、サンプルプリント。版(上)には一般的なモデリングペイストと砂の混じったものをペインティングナイフで塗り付けたものを使いました。下段左側は銅版画などと同じ凹版の手法を使って刷ったもの。下段右側は木版画と同じ凸版の手法を用いて刷ったものです。

製版がアバウトなぶんだけ、かえってインク詰めやふき取り、刷るときの圧力などで出来映えが左右されます。また、直接手で描くのではなく、版というメディアを通すことで、作者自身が思いもしなかった表現が出てくることがあります。そういった、偶然性も表現の一種です。少し肩の力を抜いて、でも期待を持って取り組んでもらえたらと思います。

7月、8月は単位制受験科と中学生美術科の学生には、少なくとも2点以上刷ってもらいます。作品はアトリエ新松戸のツイッターやfacebook 、そしてこのブログなどで紹介していきますので、楽しみにしていてください。

イワサキ