漢字・言葉・生活

2018年1月3日

アトリエ新松戸の浪人生は、毎朝、実技の授業の前に10分程度の自習を行っています。内容は漢字の書き取りとか英単語・熟語の暗記といった単純なもので、いわば朝のウォーミングアップです。英語分野と国語分野で各2日ずつプリントでの学習を行い、週末には復習テストを課しています。今週の国語分野では特殊な(?)漢字の読みをやってみたのですが、珍解答の連続でなかなか考えさせられました。
「為替(かわせ)」→「りょうがえ」<おしい!気持ちは分かる>、「欠伸(あくび)」→「けっしん」<たしかに>、「坩堝(るつぼ)」→「かんか」<文字の“つくり”から想像したのでしょう。努力は認めます>、「暖簾(のれん)」→「だんろ」<それは暖炉だろう!>など、答案を見ていてなかなか楽しかった(!?)のですが、復習テスト故、事前にプリントを渡していたことを考えると、「お前らちゃんと勉強しとんのか!」とお小言の一つも言いたくなりました。
30~40代のスタッフで「いまの子達は本を読まないからね~」なんて話をしていたのですが、出題の中には「現代の生活の中で体験することのないものもあるのでは?」という発言もあって、ちょっと考えさせられました。例えば「蚊帳(かや)」「土筆(つくし)」「山車(だし)」といったところです。いまどき「蚊帳」をつっている家庭はあるのか?10代の子が「土筆」狩りをした経験があるのか?地域のお祭りで「山車」を曳いているところは?と考えると、分からなくても致し方ないのかとも思えました。
ちなみに、若いスタッフとの雑談の中で、『ボジョレ・ヌーボーが解禁になり、近所のスーパーでも店頭に山づみされていて、その横に「早生みかん」の箱がおかれているのを見て、「おっ!<ヌーボー>と<早生(わせ)>をかけてるね」と思った』という話をしたら、『「早生」ってなんですか?』との反応でした。大学生とはいえ、季節感がない時代を育ってきたのですから仕方がないのかもしれませんね。(そのあと、国語辞典を手に「早生(早稲)」「奥手(晩稲)」の語源など、多分彼らは関心がなかったと思いますが無理矢理説明しました)
そんなかんなで、冗談でなく講評会の時は国語辞典を持っていって、僕自身が学生達のわからない言葉を発したら指摘してもらって、その都度説明するようにしようかなと思っています。(ある意味鬱陶しい講評会になるかも知れません。ま~許してくれ)
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