蟷螂の斧

2018年1月3日

アトリエ新松戸では昼間部生(いわゆる「浪人」です)に毎朝、朝自習として国語分野では漢字の書き取り、英語分野では単語、熟語の練習を課し、週末には1週間で取り組んだ分野の小テストをやって基・学力の充実をはかっています。2学期の国語分野は日栄社の「漢字・言葉の要点」という薄い問題集の中から、故事成語やことわざの単元に取り組んでいるのですが、これがなかなか手応えがあります。日頃、こういった言葉を使い慣れない、学生達にとってはまさに初見のものも多いようです。
この日の出題には「青天の霹靂」や「背水の陣」といった今でもよく使われるものの他に、「頂門の一針」や「匹夫の勇」など、僕も聞いたことの無いものもありました。音読出来なければ頭にもはいらないだろうと思って、書き取りをやっている間に一人ずつ読ませてみたのですが、けっこう答えられません。
そこで、「蟷螂の斧」ということわざ(「自分の弱さをかえりみず強敵に挑むこと。はかない抵抗」の意味。「蟷螂」はカマキリのこと)の「蟷螂」という文字を例に、漢字は表意文字であると同時に、部首を分解することで音を予想することができるという話をしました。虫編から、この単語が「虫(昆虫など)」を意味することを、両方の「つくり」の部分から音を予想できるということです。(「蟷」のつくり「當」が「当」の旧字体なので「トウ」と読める。「螂」のつくり「良+おおざと(文字化けするのでこれで勘弁)」も「郎」の旧字体なので「ロウ」と読める。という感じです)
日頃のテストの答案なんかを見ていると、分からない問題の欄に何も書かずに提出する学生も、ちょこちょこ目につきます。欲が無いというか、もったいない。もっとジタバタとあきらめずにもがけば、1点でも余計にとれるかもしれないのにと思ってしまいます。
知識として知らなくてもそれが何かを予想する力。これって実は工夫する力とイコールじゃないのかなとも思います。自分の知っているものを総動員して、なんとか答えをひねり出す。そのときは<「とんでも」な解答>で恥をかくかもしれませんが、でも、そうして覚えたものは忘れないものです
06110801.jpg朝のプリント。けっこう難しいことわざが並んでいます。
国語を担当してもらっている「ぶんぶんのブログ」の記事も紹介します。こちら

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