テンペラ実習05-メジュームづくり→インプリマトゥーラ
ボードの下準備が終わったところで、顔料とともに絵具の材料となるメジュームづくりと描画過程の第一段階になるインプリマトゥーラを行います。
この工程で使用した材料・器具
卵(新鮮なもの)、ティッシュペーパー、カッターナイフ
紙コップ、ティースプーン、酢、ラップ
ボード<下地づくりのあと転写、墨入れ済み>
顔料(各種・ここではオキサイドグリーン)、刷毛、絵皿、筆洗バケツなど
1・「メジュームづくり」
今回のテンペラ実習では、顔料を卵黄で溶いたものを絵具として使います。水彩やアクリル、油絵に至るまで、およそ絵具は「顔料+接着剤」という図式で成立しています。今回の場合、接着剤の役割は卵黄になります。
(1) まず卵を割って殻や白身を除き、残った黄身をティッシュで包みます。
(2) ティッシュにカッターナイフで切り目を入れ、紙コップに黄身を絞り出します。
(3) このままだと腐敗しやすいので、酢を防腐剤として加えます。分量は、卵黄1個につき、酢をティースプーン1杯くらいです。ここで泡立たない程度によく混ぜておきます。
2・「インプリマトゥーラ」
描画過程の第一弾としてインプリマトゥーラ(地透層)を行います。これによって画面全体を単一の中間調で統一し、次の工程であるハッチングの効果を高めます。
(1) 顔料(今回はオキサイドグリーン)に卵黄メジュームを加えます。混合する比率は顔料の性質によって変わるので、適当な量を理解するには経験が必要です。おおよその目安として「乾燥して粉が吹かない程度に」と説明しています。
(2) 水を加えて濃度を調整したあと、クロッキー帳に試し塗りをしてみました。
(3) 刷毛を使って均一に塗っていきます。このとき、刷毛目が重なったり、絵具の濃度の違いでムラが出たりしますが、今後の過程で修正可能ですので焦って二度塗りしたりせず、とりあえず全体に絵具が行き届くことを心がけます。
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