下地材

2018年1月3日

2006/04/26
綿キャンバスを表に、シーツを裏に張り込んだパネルに、発色を良くする
為の下地材を塗布する。下地材のレシピは膠液1に対して、白色顔料であ
るチタニウムホワイト(アナターゼ)の粉末1、重質炭酸カルシウムが1、
そして希釈用の水が1~2という割合。ちなみに単位はすべて体積だ。
この体積のはかり方には諸説あるようだが、僕は単純に紙コップの内側に
鉛筆で印を付け、そこまで顔料や液体を注ぎ込んでボールで混ぜ合わせる
という方法をとっている。けっこういい加減な方法だが、原理的には正し
いし、制作の現場としてもこのくらいアバウトな方がしっくりくる。
料理でもそうだが、盲目的にレシピに従うよりも、途中途中で自己判断し
ながらやった方が圧倒的に上手くいく。とくにここで使う顔料や膠は、天
然素材だけにメーカーやブランドによってその性質が違う。大まかな配分
だけ確認しておき、実際に作って塗りながらチェックするしかないだろう。
実際、膠を「三千本」から「ウサギ膠」に切り替えたときは、その接着力
と柔軟性の違いに愕然としたものだ。それだけでなく温度の問題もある。
温度が下がれば膠は煮こごり状に固まってくる。加熱しすぎれば粘着力を
失う。その辺りの加減を見ながら作業しなければならない。
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今回の作業で用いた素材。左から「重質炭酸カルシウム」、「チタニウム
ホワイト(アナターゼ)」、「ウサギ膠」。手前には「盛上げ胡粉」
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処理の難しい角の部分も、どうやら大丈夫そうです。
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