原寸美術館
フリータイムクラスの生徒さんの要望で、模写の資料として表題の画集を教室に持っていきました。以前、北海道の山崎先生のブログで紹介されていたのを見て、興味を持ち購入したものです。
模写には色々な目的がありますが、今回は絵の具やタッチの重ね方など、技術的なところの研究に主眼をおくので、このような資料はまさにうってつけです。この生徒さんは、卵黄テンペラを使って、主にハッチングの技法で描いているので、巻頭に紹介されているボッティチェリの「ビーナスの誕生」や「春(プリマベーラ)」あたりを題材に選びそうです。
図版の一部には、大元のフィルムに起因するのではと思われるボケや、スキャンの問題と思われるジャギーもありましたが、この価格帯でこの企画に挑戦するとこの辺りが限界なのかもしれません。詳しいことは、専門家の方が書いておられますのでそちらを参考にして下さい。
小学館『原寸美術館』への異論
記事の日付を見ると、もう1年以上前のことなんですね。Amazonで検索してみると、在庫は残りわずからしく、時間の流れを感じます。ただ、書評には好意的なレビューが並んでいました。やはり印刷畑でない人は、印刷の出来、不出来よりも「モナ・リザの表面にはいっている一面のひび割れ」に驚き、「ゴッホのマチエール」に引き込まれているようです。
当然、プロの目も満足させられるだけのものが出来れば良いのでしょうが、それって幾らくらいのものになるのでしょうか?
原寸大で見てみると、ボッティチェリは「線の人」だと改めて納得です。
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