展覧会廻り

2018年1月2日

2012/08/01
今日はお休みをいただいて、銀座にOBの展覧会を観に行きました。
ギャラリー58<銀座4-4-13琉映ビル4F>「伊藤航展」7/23〜8/4
ギャラリー58のホームページ
http://www.gallery-58.com/

東京芸大の工芸科を卒業した伊藤君の展覧会。銀座、京橋のギャラリーが共同で12人のアーティストを取り上げ「新世代への視点2012」として開催しているイベントの一環としての展覧会です。
伊藤君は芸大では漆を専攻したのですが、高校生の頃から慣れ親しんだ「紙」を使った作品を作り続けています。作風は紙の白さを活かして着色はほとんどなく、あくまでもモチーフとなったものの形態としての面白さを、いかに有機的な3次曲面の使えない紙という素材で表現するのか、そしてそれらの組み合わせによっていかに新しいビジョンを生み出すのかというところに注力しています。今回の展覧会でもハサミやカッターナイフ、天ぷらといった日常的でありきたりなものをモチーフにしていたのですが、その完成度はさすがです。
本当は伊藤君の展覧会だけ見て帰るつもりだったのですが、会場で今回のイベントの紹介冊子をいただき、出品者の一覧を確認してみると、取手時代の教え子とおぼしき名前を発見。会場に向かいました。
藍画廊<銀座1-5-2西勢ビル2F>「本橋大介展」7/23〜8/4
藍画廊「新世代への視点2012本橋大介展」
http://igallery.sakura.ne.jp/aiga479/aiga479.html

14〜16年も前に彼が高校1年生から3年生までの3年間、指導していました。彼は東京芸術大学を卒業後、版画家として作品を発表する傍ら、歴史小説などの装丁画を手がけているそうです。会場で一目見て「岩崎先生!」と声をかけてくれたのは本当にうれしかったです。さすがに「おやじ」になっていましたが、それでもどこか当時の面影が残っていて、ついつい話が弾みました。
話をしていてみると、僕が忘れているようなことも、彼はいろいろとを覚えています。それはそうでしょう。高校の3年間といえば、海綿が水を吸い取るように様々な知識を吸収できる時期です。我々が何気なくいった一言や、制作の参考になると紹介した巨匠、新人作家など雑多な作品の画像が、その後の作家としての人格形成に大きく影響したといいます。やっぱり、我々の仕事は関わった学生達の人生に大きな影響を与えるのだなと、再認識しました。
本橋君とは彼が高校を卒業して浪人生活に入ったときから、ずっと連絡を取れていませんでした。しかし、こうやってみると、いったん縁が切れても、発表していればどこかで出会えるんですね。いわば制作者の特権。ちょっとうれしくなりました。
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