対価

2018年1月3日

2007/09/29
古生物学美術を専門とされる corvo さんのブログに「お見積り」という記事がありました。その中に「美術の専門家を育てるのが美術大学の役目のはずだが、それを生業として経済的に自立していく為に必要な著作権の取り扱いや、契約書の書き方など、マネージメントに関しての指標を教えているところは皆無ではないか?」と言う趣旨の指摘がありました。
20年近く前の美大生である僕自身の経験に照らし合わせてみても、特にファインアート系の専攻では「いかに稼ぐか」という実学的な面より「いかによい作品をつくるか」という「美術至上主義」的な雰囲気が支配的でした。カンディンスキーの語るところの「芸術のための芸術」と言うことでしょうか?(おかげで!?僕の卒論の趣旨は「人は何故食えないのに絵を描くのか?」というものでした)
美術品の価格については、「開運!なんでも鑑定団」などのテレビ番組を観ると分かるように、本当に天文学的なものから、ゴミ同然のものまで千差万別です。消費者の立場に立ってみれば、よいものを少しでも安く手に入れたいと思うのが世の常ですから、この「値段があってないようなもの」に対して、作者自身がこの作品の価値はこういう理由でいくらだと宣言しなければ、買いたたかれるのが落ちでしょう。
ついつい「お友達価格」で採算割れとか、原価計算が出来なくて事業に行き詰まるようでは、せっかく高い授業料を払って大学を出てもどうしようもありません。最近では各美術大学にプロデュース分野の専攻も出て来ているので、その卒業生達に期待という面もあるかもしれません。しかし、 corvo さんがそうであったように、独立して自分の道を切り開いていく人間は、しばらくは現場での試行錯誤でそういったことを身につけていくしかないかもしれません。
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日記

Posted by hideta