みんなちがって、みんないい
「美術と自然と教育と」の「広げる研究しないといけない」から「おおは
しわあるど=ぶろぐ=」の「作品展審査を終えて」、「野口家の徒然なる
ままに」の「子どもにとって絵とは?」という記事にたどり着いた。どち
らも、子どもたちの図工・美術教育についての問題提起だ。
幼児や児童だけではなく、専門教育の一歩手前に位置する美術予備校でも
同じような問題を抱えている。合格という結果を求めるあまりに、講師が
受験生時代にやったコピーを学生にやらせてしまうことなど、美術の本質
からかけ離れたことがあちこちで行われている。
金子みすゞではないが、「みんなちがって、みんないい」のだ。制作とは
自分で観て、感じて、考えて、作り出す。そんな能動的な作業だ。それな
のに先回りして安易に手を差し伸べる講師。失敗を恐れ、はじめからどう
したらいいか聞きにくる学生。そんな馴れ合いの先に、個の確立はない。
それぞれの違いを認め合うためには、しっかりとした制作者としての軸と、
経験に裏打ちされた知識が必要だ。当然、教える側は常に研鑽を積み、真
摯に表現に向き合っていなければならない。予備校で初めて本格的な美術
の世界に触れる学生が多くなってきた今、我々の責任も大きいはずだ。
ディスカッション
コメント一覧
ブログで考え方が深まる!
ブログ「なにかをつくる」のサトウさんが、私の記事をきっけかけに「みんなちがってみんないい」という記事を書いて、トラックバックしてくれました。
美術教育の中にある問題点を再度提起してくれました。
普段の研究会ではほとんど不可能な顔合わせにです。予備校の先生、お母さん、研究者、学校の教師の組み合わせです。立場は違いますが、基本的な主張は同じです。
ブログを通していったり来たり、関連記事を書きあって、まるで研究会のようです。
そしてこれまで知らなかった人同士がつながりあっていく。今は小さな動きかもしれませんが、これがやがて大きな力になっていく、そう信じてやっていきたいです。
…
いわさきさん、最高の記事、そして最高のTBでした。何かこの記事を読むと『よし!」って感じになりました。私も刺激を受けて記事を書きました。TBさせて頂きました。ブログ、おもしろいですね。
岩崎さん、トラックバックをありがとうございます。『野口家の徒然なるままに』の野口です。
岩崎さんのこの記事を見て、改めて表現教育の大切さを感じました。他人を認めることができるには、まず自分を認めてあげることだと思います。自分を認めるためには心の内側から湧き出る表現を他者から抑えられてはできないですよね?学校というところが、まず子どもの心身の健全な発達を重視してくれるところであるように働きかけるのも親の仕事なのでしょうね。小さなところからコツコツとやって行きたいと思います。
みんなちがってみんないい
私たちは来る8月6日7日奈良に集まって、今もう一度、美術教育の起死回生をめざして検討しようとしています。専門家といわれる、研究者や教師が集まる学会ですが、多様な人たちが美術教育を巡っての活発なやりとりがこのように行われている事実を、会員のみなさんにも紹介したく、岩崎さんのブログにトラックバックさせて頂きます。