予備校と大学のステージ
2012/09/09
アトリエ新松戸では、実技学習を美大合格のためだけのものとは考えていません。小中高校の図工、美術教育の時間が削減されている現在、「アトリエが美術デビュー」という子達が少なくありません。スタート時点の教育はとても大切です。作品を制作する、作品を読み解く、そして作品を作る人と真摯に向き合えることができる人間になってほしくて、様々なプログラムを組み、また、そのことを念頭にいれて指導を行っています。
その成果か、OB達は結構活躍しています。当然、全員が全員ではありませんが、この世界で生き残っている割合は、規模と合格者数を売りにする大手予備校に負けていません。彼らの活躍を頼もしく、見守っています。しかし、美大生の中には、大学に入ったとたんに目標を見失ってしまう人もいるようです。
せっかく、苦労して美大に入ったのに「私にはあの緊張感が必要です」といって、予備校に逆戻りする人がいると言う話を複数の大学教授から聞きました。それは、受け入れる大学側の問題なのか、送り込む予備校側の問題なのか、わかりません。ただ、予備校と大学では、ステージは明らかに違います。「君は将来こういうことをやるために次のステージに行くんだよね」ということを、ちゃんと確認した上で送り出すことが大切なんだろうと思います。
その作業は地味で、なおかつ合格実績と言う数字には表れないかもしれません。しかし、教育という人生に関わる業界に携わる人間としては、避けては通れないものです。学生それぞれに理解度に違いはあるでしょうから、日常的に問いかけ続けることが大切でしょう。まずは来週の自由制作展に向けて発破をかけるところから始めます。
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