無料デッサン教室

2018年1月3日

2007/03/18
070318_01.jpg今日、アトリエ新松戸では、中学生、高校生、卒業生を対象にした無料デッサン教室を開催しました。はじめての試みとして、中学生は鉛筆、高校生以上は木炭と学齢ごとに描画素材を変えてみたのですが、講評会のときには、どちらのクラスにも、なかなかの力作が並んでいました。はじめて木炭に触った参加者もいましたが、十分にその魅力を堪能できたのではないかと思います。
今回は、年度替わりということもあり、親御さん向けの入学相談会も同時開催しました。予定していた人数を上回る方が参加され、我々に対する期待度の大きさをヒシヒシと感じました。誠心誠意、誠実に個々の事例に向き合っていかなければと改めて気が引き締まりました。
高校生以上を対象としたクラスで行った木炭デッサンですが、最近はどの予備校でもやらなくなってきているそうです。以前は油絵を目指す学生達にとっては必要不可欠な技法だったのですが、東京藝大がその試験を課さなくなってからは、油画科志望の学生でもちゃんとその扱いを習うことは減ってきているようです。今回の教室に参加した近隣の美術研究所の油画科に1年間通っていた学生との面談の中で「はじめて木炭に触れました」との発言を聞いたときにはビックリしました。
油絵具という素材は、絵具をキャンバスにつけたりとったり、塗り重ねたりと、かなり自由度の高い絵具です。我々は「絵具の可塑性」という言葉でそれを表しますが、例えば鉛筆と画用紙の組み合わせでは、それを体験することは困難です。しかし、木炭紙と木炭、そしてデッサンパンの組み合わせによって、大量の木炭をつける、とる、重ねるという経験は直接に油絵具の扱いに通じます。僕自身、そういった経験を10~20代の頃に積んだことが、今のベースになっています。
大学とはいえ、学生に入学金やら授業料やらを払ってもらってはじめて成り立つ商売です。受験料収入の問題もありますから、少しでも多くの受験生を確保するために、ハードルを低くしたいのも分かります。しかし、この部分をすっ飛ばしていくことは、短期的には利益をもたらすかもしれませんが、長期的にみれば、自分で自分の首を絞めることにならないかと思いました。
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