デッサンだけ!?

2018年1月3日

アトリエへの問い合わせには、いろんなものがある。受験生を持つ親御さ
んにとって心配はつきないのであろう。「うちの子の志望は○○デザイン
だから、絵具を使って絵を描くとかではなくて、デッサンだけをしっかり
とやらしてほしい」なんて要望が来る事もたびたびだ。
これが受験を目の前にした高校3年生の10月や11月なら、まあ致し方
ないかとも思うのだが、高校1,2年生の親御さんから同じような発言を
聞くと「ちょっと待ってください」ということになる。「もっと色々な表
現を経験させないとダメですよ」と、我々の教育方針を説明する事になる。
たしかにデッサンは基本的な訓練の一つだ。スポーツで言えばランニング
にあたるだろうか。しかし、例えばサッカー選手になるのに走ってばかり
いてもダメだ。ボールの蹴り方、止め方、フェイントや試合中のコミュニ
ケーションの取り方など、多種多様な事を身に付けなければならない。
目の前の受験をクリアーするために予備校に行く。確かにそうだ。しかし、
必要なスキルは試験で課されている事だけではない。経験を重ねなければ
分からない、その人の特性なんかもある。長い人生の最終学歴になるのが
大学だ。本当の意味でじっくりと準備して受験に臨んでほしい。