中学生夏休み実技講習(その2)

2018年1月3日

実技講習2日目。昨日はデッサン、今日はアクリル絵具を使った水彩の授
業。デッサンのモチーフはパプリカと箱。水彩はちょっと豪華な花束だ。
慣れない環境に緊張しながらも、一生懸命に取り組んでいるのだが、描い
ている手元に目をやると、へんてこな鉛筆の持ち方をしている。
最近、中学生に限らず、きちんとした鉛筆や筆の持ち方が出来ない学生が
増えている。美しい線を引き、的確な階調をつけるためには、鉛筆や筆を
自在に操ることが不可欠だ。そのためには、指先から手首、肘、肩、腰と、
均整のとれた動きが求められる。特に直接道具に接する指先は重要だ。
きっと小学生の頃から、誰からも厳しく指導されなかったのだろう。絵を
描くときの鉛筆の持ち方は一種独特なのだが、それでも基本は字を書くの
と同じ。ガチガチに手首を固めたような握り持ちでは、筆圧を調節するこ
とは難しい。初日には洗濯バサミを使った簡単な矯正法を教えた。
彼らや親御さんは、そんなに危機感を持っていないかもしれない。しかし、
美術にたずさわる者として「読めればいいでしょう」と言うレベルで画面
に向かわれたのでは困る。突き詰めていけば、ものつくりとして基本姿勢
にかかわるような問題のような気がするのだが、いかがなもんだろうか?
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絵を描くときの鉛筆の持ち方。長い線を引いたり広い面積に調子をつけるときは左のように、細かな描写は右のように持ちます。