コピーとオリジナル
アトリエに通う学生の中には、映像作家やマンガ家を目指す学生もいる。
彼らの作品を見せてもらうと、往々にしてオリジナルストーリーの、いろ
んな意味で独りよがりな作品が多い。それが若さだと言ってしまえばそれ
までだが、あまりに見る側を意識しないものは作品として成立しない。
そんな彼らの作品を見ながら、高校時代(20年以上前だ!)ヤマハ楽器
主催のEastWestの地方大会に出た時、ゲストのPRISMのベー
シスト渡辺健さんの「下手なオリジナル曲やるんだったら、コピーをやっ
た方がいい」というコメントを思い出した。
「世の中にはすばらしい楽曲がいっぱいあるんだから、それをちゃんと解
釈して自分なりに演奏することが勉強になる」という意味だっただろうか?
そう考えると、古典的な文学作品などを自分なりに解釈してマンガや映像
の手法で表現するということも、有効な勉強方法だろう。
絵画の勉強に模写やデッサンがあるように、ジャンルごとに下積みの練習
期間のような時期があるだろう。そんな時期に横断的に様々な表現に触れ
ることは大切なことだ。その上でただのコピーで終わるのではなく、自分
のものにしていく展開力を育てるような授業が必要になってくるだろう。
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