テンペラ実習02-布貼り
昨日に引き続きテンペラ実習の話題です。
今日は火曜日のクラスで、前日に下準備していた基底材に布貼りを行いました。
この日使用した材料・器具
基底材-F4号(333×242mm)・前日に前膠処理済み
膠水(ウサギ膠70gに水1リットルの割合・前日に作り置き)
重質炭酸カルシウム
綿布(生成りのシーチング・薄手)
電熱器・紙コップ・ナベ・ぞうきん・刷毛・画鋲
1・「裁断」
基底材に貼り込む布を、表面からかぶせて裏面に2~3センチ回り込めるくらいの余裕を持って裁断します。表面から回り込んだ布と重なる程度の大きさの裏面用布も確保しておきます。
2・「接着剤の準備」
重質炭酸カルシウム:膠水:水=1:1:1(体積)の割合で材料を片手鍋に入れ、よく混ぜ合わせて布を貼り込むための接着剤を作ります。材料を入れる順序など事細かに指示している文献もありますが、急激な温度変化などが無ければ特に気にしなくても良いようです。このとき、体積をはかるのには紙コップが便利です。
3・「布張り」
(1) 2で作った接着剤をたっぷりと基底材の表面に塗ります。
(2) その上に、布と基底材の中心が重なるように気をつけながら、布を接着します。このとき、中心から外に向かって、水張の紙を伸ばす要領で軽く布を基底材に押し付けます。この作業によって、布がぴったりと接着します。ただし強くやりすぎると、水分を含んだ布の収縮によって基底材ごとそってしまうので、程度をよく見極めながら進めなければなりません。
(3) 貼り終わったあと、角の処理をします。基底材の角をカバーするために耳を作ります。この作業は、布の上から触ってもベタベタしない程度に乾燥するまで多少時間をおいてからの方が無難です。
(4) 表面側がある程度乾いたところで、側面と背面を貼付けます。まず表面と同じように、たっぷりと側面と裏側の布の回ってくる部分に接着剤を塗ります。先に角の耳を作ったところから貼り込んでいきます。
(5) 表面から回り込んできた部分を全て接着したら、裏打ちするために裏面全体に接着剤を塗ります。表面と裏面と両方に綿布を貼ることで、反りやゆがみを防ぎます。
(6) 裏面全体に布を貼り込んだあと、今後の作業のため裏面4隅に画鋲を刺しました。
(7) 接着剤の中の膠分は、温度が下がるとゲル状になります。そこまで行かなくても、塗っていて「刷毛が重いな!?」と感じたら、湯煎をして接着剤を暖めることが必要です。
(8) 今日最後の作業で、表面にも布の上から接着剤を塗り込みます。このとき、布張りの時と90度違う角度で塗った方が、より平滑な画面を求めやすいと思います。
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