大岩オスカール展

2018年1月3日

2008/07/06
久しぶりにフリーな日曜日。午前中は庭や家の前の道路の草取りに汗を流し、午後は東京都現代美術館の「大岩オスカール展」と代々木上原の「ギャラリー上原」で開催中の「細密絵画 三人展 -中野浩明・細迫諭・與倉豪-」を観にいきました。
「大岩オスカール展」は、最終日ということもありチケット売り場に列が出来る程のにぎわい。10代、20代の若い世代を中心に、注目度はかなり高いようでした。会場には、回顧展さながらに学生時代の作品から現在に至るまで網羅的に展示されていましたが、特にニューヨークに移ってからの作品にすごみを感じました。
大岩さんとは、彼が日本をたつ前に開かれた個展会場でお会いして話をする機会があったのですが、その時は日本での日常を描いた作品が目につき、私小説的な作家だなという印象を持っていました。しかし、現在進行形の作品群ではテロや環境破壊、大都会にすむ人間の孤独といった社会的なテーマが主題となっていました。しかも、大上段に構えたところが無く、ごく自然な立ち位置から本気で何かを発信しようとしているように感じました。
作者紹介のビデオの中で彼自身が言っていたように、ニューヨークに渡った後、思うに任せない制作発表活動の中で、9・11の国際貿易センターと同じように、自分自身の人生が崩れ落ちてしまうのではないかと感じた、ある意味ごく当たり前の一個人の感覚が探り当てたテーマなのかも知れません。ともあれ、鑑賞者にとって、嘘偽りの無い作品達です。
正直言って、当てられました。「僕は何をしてきたのだろうか?」「僕がアートを通じてアプローチできることは?」……。精一杯やっているつもりで、その実出来ていない。たまにはそう振り返ってみることも必要なのでしょうか。
ギャラリー上原の展覧会については、また明日。
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