藤井達矢展

2018年1月3日

京橋のギャラリー山口で行われている藤井達矢展にお邪魔した。作者との
付き合いは学生時代から。彼自身のホームページで紹介しているように、
最初は植物(蓮)を具体的なモチーフにした平面作品を発表していた。次
第に基底材に金属を使ったりと試行錯誤を重ね、現在に至ったようだ。
今回の作品は昨年に引き続き、地下のギャラリースペースの特性を生かし
た、インスタレーションだ。地階から階段を下り、少し照明を落とした会
場に足を踏み入れると、薄く水を張ったプールがある。周りの壁面には天
井から水面すれすれに、ドローイングを施された麻紙が垂らされている。
プールには幅の狭い一本の橋が架けられていて、観客はそれを通って池の
真ん中にある踊場にたどり着くことが出来る。プールに張られた水には墨
が少し混ぜられていて、水の持つ鏡面効果を助長している。その中心に立
てば、想像以上に周りの状況が水面に映り込んでいる。
作者は「生」の源泉に迫ろうとするあまり、対局としての「死」を意識す
るようになったという。それらは膜を一枚挟んだ表と裏、虚と実の関係に
ある。そして、揺れ動く光と影のごとき、人の生きる証の儚さ。そういっ
た彼の「死生観」が投影された作品だ。(一部作者HPより引用)
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画像は今回の展覧会DM