金型工
NHKスペシャル「日本の群像」で、日・中の金型工について紹介してい
た。コスト削減のため中国に進出した日本企業が、現地の人材を採用し教
育していく。しかし、育った彼らは集団で会社を辞め同業種で起業する。
何のために教育をおこなっていたのか、担当者には悔いが残ったという。
一次的な技術流出だけではない。独立した会社では「職人学校」を作り、
人材を自前で輩出しようとしている。25日の記事「もしも小学校で図工
を教えなくなったら」でも書いたが、ある集団で平均的な技術があるとい
うことが、次元を超えるような技術が生まれる素地になる。
希望も見えた。取りあげられていた日本側の企業が、マブチモーターから
試作品の制作を指名された。プレスで真円を作る。誤差5/100mm以
内という難題だ。試行錯誤を繰り返し、最後は手作業で金型を削って納品
にこぎ着けた。担当したのは工業高卒で30才の若者。輝いてみえた。
たとえ、利益を生んでいる技術が流失しても腐らずに、誰もやったことの
ない新しい技術に挑戦していく。その基本になるのが、フロンティア精神。
指先の器用さ。そして、町工場の意地。「俺は世界でオンリーワンや!」
という意識を植え付けられるように文科省の方々、よろしく。
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