鉛筆を削っていて

2018年1月2日

2012/05/10
高校3年生のクラスの学生が夕方、受付カウンターに鉛筆を買いに来ました。そのちょっと前に「もうだいぶ短くなっているから、鉛筆ホルダーをつけるか、買い直した方が良いよね」と声をかけた学生です。
本人曰く「私、すぐ芯を折ってしまうんです」とのこと。鉛筆を削らせると、初心者にありがちな「えぐるような」ナイフさばきで、芯ばかりが長く出てしまっています。これでは折れるのは当たり前。改めて、削り方の指導を行いました。
途中、「刃物は素材の目の方向によって入り方が違うから、鰹節を削るときのように、目から逃げるように一定方向に動かす事を心掛けた方が良い」と、「今の高校生にはわかりづらい喩えかな?」と自分で思いつつ話しかけると「鰹節を削っていたなんて憧れます」と思いもよらない反応がありました。
「憧れるのは勝手だけど、その当時は今みたいに便利ではなかった事のあらわれだよ」と…。後は言わなくていい事のオンパレードで、曰く「トイレはポッチャンだった」「トイレットペーパーなんてものはなく、新聞紙を揉んで使っていた(落とし紙が導入された時の感動と言ったら…)」「近所の肥だめに落ちた事がある」「母親が肥えタゴ(人糞肥料用のおけ)を担いで畑に行こうとしたら、坂でこけてしまって頭から糞尿まみれなって帰って来たら、その日のお風呂当番だった自分がサボっていて身体を流すお湯がまったくなくてえらく怒られた」などなど。ほかにもいっぱいあったのですが、本人のキャパシティを確実に越えそうだったので、その辺でやめておきました。
こんなコトを思い出したのは、きっと日曜日に局地的な停電に見舞われて、極々短時間ではありますが水が出なくなった事も関係あるのでしょう。アトリエの入っているビルは屋上のタンクに貯め置くタイプではなく、地下のタンクから直接ポンプで上階に送り込むタイプです。電気がなければトイレも流せません。実際、トイレに入ったは良いものの、ながせなくて流しにたまたま溜まっていたバケツの水で代用した生徒さんもいました。
この夏はまた厳しい節電が必要になりそうです。とりあえず、まわりに木陰の有る空地くらいはないと、万が一の時の臨機応変な対応は難しいな。(野グソ経験の有る田舎もんの浅はかな考えでしょう)と考えた一時でした。阪神大震災の被災者の記事を見た事があったので。こちら→ 阪神淡路大震災の悲惨なトイレ事情 
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