浪人してよかった!
2011/02/25
今日はタマビの合格発表日でした。ムサビ・タマビと言えば、美大界の早稲田・慶応みたいなものです。大学全入と言われる現在でも、卒業生たちの活躍によって築かれたブランドイメージもあるのでしょう、多くの学生が受験するため非常に高い受験倍率になっています。
その難関に挑戦したとなれば、合格発表の時間が近づけば緊張感が高まるでしょう。タマビの場合はWEB上での一斉発表。合格者、補欠者の受験番号を全員ホームページに掲載します。時間が近づくにつれ、携帯片手に廊下をウロウロする学生やら、あえて情報を遮断しようとする学生やらで、いつもとは違うアトリエの雰囲気になりました。
合格発表を待つ学生の中に、「私立の第1志望は落ちたけど、タマビが第2志望で、すでに受かっている第3志望の初年度前期の授業料の納入期限がタマビの発表の30分後なので、合格発表を確認し次第、銀行のATMの前で待っている親御さんに連絡する」という、我々からすればスリル満点で、銀行員からすれば振り込め詐欺と限りなく近いシチュエーションを演じざるを得ないケースがありました。
結果は第2志望に無事合格!無事、親御さんとの連絡もつきました。現場のスタッフとしては、「ちょっと足らなかったか!?」と気をもんでいた学生だっただけに、嬉しさもひとしおでした。そして何より、事務室のPC画面で自らの合格を確認した彼の「浪人してよかった〜!」の声を聞いて、思わず目頭の熱くなった私でした。
10年前に比べれば、受験倍率の低下にともなって、ほとんどの大学は入りやすくなっています。贅沢を言わなければ、美術という専門生の高い分野であっても、現役で進学できる大学はいくらでもあります。そんななかで、自分の目標のために妥協せずにより難易度の高い大学にチャレンジし、それをやり遂げたということが素晴らしく感じます。こういった成功体験が社会に出ても彼の背中を押してくれるのではと思いました。
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