成長過程

2018年1月3日

土曜日の中学生クラスは今日もパラレル進行。デッサン、水彩、ビデオ編
集。芸大・美大受験予備校として高校生以上だけを対象にしているときは、
すでに視覚については出来上がっているという前提で指導に取り組めば良
かったが、中学生を相手にするとなるとその辺りが微妙だ。
子どもは小さな大人ではない。中学生あたりだと、近・現代的な遠近法や
明暗法に馴染まない子も多い。彼らはそういう風に世界を見ていないのか
もしれない。この日の中学1年生のクラスは巻貝をモチーフに鉛筆デッサ
ン。モチーフをそのまま画面に表すのは結構難しく、四苦八苦していた。
ある程度鉛筆ののったところでいったん制作中断。いわゆるデッサンでは
モチーフに対する興味がもたないのではないかと方針変更。モチーフを凝
視して、そのパーツから面白そうな部分だけを選んで拡大し、それを線の
みでスケッチブックに描くというルールで再度挑戦してみる。
すると、さっきまでの苦労が嘘のように自由に線を引く。その線がまた自
信があふれている。正直びっくりした。話を聞くと粗と密の関係にも気を
使っているようだ。次週はこのプロセスに色彩を加える予定。成長過程に
おける指導について、自分自身も研究していかなければならない。