色彩を加える
2006/05/03
この日から暦の上も連休に入る。さすがに問い合せの電話やメールもなく、
静かな一日。下描きとエスキースとで、明暗の関係が逆転しているところ
がでてきたので、塗り重ねの効果を確認するため、再びエスキースに手を
入れる。何度もやり直し、絵具の層が重なりすぎて絵肌が荒れてきた。
「渦」の部分を暗くするため墨汁を塗るがしっかりと固着しない。テンペ
ラの油性面の上に水性の墨を塗るのだから、はじくのは当たり前。ここで
も行き当たりばったりだ。まあ、ここで失敗しておかないと本番でやって
しまうだろうから、それが分かっただけでもよしとすべきだろう。
エスキースが一段落ついたところで、ようやく本番の白亜地の上に色彩を
加えていく。絵具は卵1個分の卵黄に酢酸(お酢)をティースプン1杯加
え、それに顔料と水を加えてたもの。発色の良さが魅力だ。水分が多いた
め、油絵を描く時のように画面をたてるのではなく、寝かせて描いた。
まずは広い面積に、太めの軟毛の筆でランダムなタッチで塗っていく。イ
エローオーカーとウルトラマリンといった、油絵具にすると落ち着いた色
味の顔料も、テンペラで白亜地の上に塗ると輝くような色彩を放つ。塗り
重なったところの表情もきれいだ。これを生かしながら完成を目指したい。
エスキースは試行錯誤の結果、この段階ではこんな感じになった。
本画では、パネルの厚みを利用して側面まで塗り込む。
この日の作業はここまで。エスキースでの試行錯誤を生かしてきたい。
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