科学と神秘のあいだ

2018年1月1日

参院選が終わりました。ネットによる選挙活動が解禁されたこともあり、若年層の投票率の向上が期待されましたが、投票率はワースト3ということで、直接的には効果は薄かったようです。

しかし、広報媒体にインターネットが加わったことによって、各陣営の論戦の張り方が、ずいぶん変わってきたように思えます。とくに選挙後半になるにつれ、いわゆるネガティブキャンペーン合戦になったような気がします。ネットの世界は「言ったもん勝ち」「やったもん勝ち」という風土があるのでしょうか?建設的な論議が起きていなかったのには正直失望を感じました。しかしこれもメディアの特性上仕方が無いのかなとも思います。

表題は大阪大学サイバーメディアセンター教授の菊池誠さんの手によるエッセイ(?)です。ご自身の専門から少し外れて、主に「ニセ科学」について語られているのですが、ネット時代の情報の受け手としてのあり方に参考になる点が多かったです。

帯には
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この星に生きているという、奇跡。
好き嫌いでは変わらない、科学的な事実。
思い込みが生む、奇妙な「ニセ科学」の数々−。
科学的な「考えかた」をめぐる、とびきりポップなエッセイ
奇跡は必ず起きる!?
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とあります。

我々がいかに自分の耳に心地よい「物語」に流されがちか。遅れてきたニューサイエンス世代としては、耳が痛く、考えさせられることが多く書かれていました。政治家達や活動家達の主張を聞くときに、ちょっと頭に入れておくだけでずいぶん見えてくる世界は違ってくるのではないかと思いました。

イワサキ