竹田の子守唄

2018年1月3日

2007/09/12
iTunes Music Store から<赤い鳥>が歌って大ヒットした「竹田の子守唄」の元歌と言われる「竹田こいこい節」と「竹田の子守唄(元唄)」をダウンロードしました。元歌といっても、古い録音のものではなく<ソウル・フラワー・モノノケ・サミット>というバンドが2006年に発表したものです。前からその曲の存在を知ってはいたのですが、実際にじっくり聴いてみると楽曲の素晴らしさにおどろかされました。
「竹田の子守唄」は、もともと「守子歌」と呼ばれる、奉公に出された女の子たちが子守をしながら歌う一種のワークソングだったそうです。ある意味、黒人のブルースの発祥と一緒です。「竹田こいこい節」はまさにワークソング。仕事の辛さを吹き飛ばすような雰囲気を持った曲でした。そして「竹田の子守唄(元唄)」は、物悲しいアレンジで、故郷を離れた女の子の寂しさが伝わってくるようでした。
「竹田の子守唄」はいわゆる「放送禁止歌」として、長い間テレビやラジオで流れることはありませんでした。なんでも4番の歌詞にある「在所」という言葉が、唄の発祥地である京都地方では被差別部落をさす場合があるということが、その根拠になっていたそうです。
確かに元歌にも、被差別部落同士の近親憎悪ともいうべき歌詞があったりします。公共の電波に乗せる上で、臭いものにはふたというような判断もあるかもしれません。しかし、表現というのは何も表面を奇麗に取り繕うだけではなく、生身の人間の、理性ではどうしようもない感情の発露でもあるはずです。だからこそ相互理解のための大切な道具にもなりうるのです。
多くの人が聴き、そしてその背景を考えてほしい曲です。
参考資料・インターネットマガジンBeats21『講演「竹田の子守唄 名曲に隠された真実」—藤田正@高野山』
『放送禁止歌』(知恵の森文庫)森達也著
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