絵画の行方

2018年1月3日

2006/02/11
府中市美術館で開催中の「絵画の行方-現代美術の美しさって何?」を観た。
多様な表現手法が併存する現代において「絵画」という古典的な表現手法の
持つ意味と可能性について問いかけた展覧会だ。出品者の一人、「小林俊介」
が筑波時代の同級生ということもあり、これは観ないわけにはいかなかった。
小林君の作品は、テンペラと油彩による混合技法で画面全体をほぼ単一の色
彩で包み込んでいる。一昨年の村松画廊での個展のときは「なんかロスコっ
ぽいな」といった印象だったが、今回の作品群は、画面の表層の少し奥から
にじみ出てくるような光彩を放っているようで、美しい。いやまいった。
出品者の中で気になったのが「大谷有花」。1977年生まれの若い作家だ
が、軽やかな色彩による描写が心地よい。彼女の作品にはライトグリーンが
使われているのだが、画面の中と同じ色を自らの展示スペースの壁面に塗り
込め、壁面に額の役割りを果たさせているあたりにくいと感じた。
この美術館には初めて訪れた。京王線の東府中駅から徒歩で15分くらいか
かるのだが、公園の中を散策する感じで時間を感じさせない。印象としては
新木場駅から東京都現代美術館にいたる迄の公園の縮小版といった感じだ。
こんな施設が地元の松戸にもあったらと、ついつい思ってしまった。