花村泰江展

2018年1月3日

8月2日に吉祥寺のGallery惺(SATORU)で開催されていた
「花村泰江展」にお邪魔した。彼女は学生時代から身近な生活必需品をモ
チーフとした木版画を制作している。今回の展覧会もその流れにそったも
のだが、会場には今までにはない様々な技法を試みた作品が並んでいた。
これまでの作品は一般的な木凸版の技法で、水性のインクを用いて刷られ
ていた。しかし、今、彼女は木版画における新たな表現手法を模索してい
ているのだと言う。その一つが木凹版とコラグラフの技法を併用した一版
多色刷りで、これらの作品群が特に目を引いた。
作品を一通り見て「これってコラグラフ?」と聞くと「筑波の人は一目で
コラグラフって分かるのよね」と彼女。僕の前にきていた日本画の先輩も
分かったのだという。同じ先生の授業を受けていれば、知っている技法も
似てくるもの。やはり教育を受けた場と言うか環境というのは大きい。
自分の教室で先月コラグラフを取り上げた事もあり、製版からインク詰め、
刷りに至る様々な事について話した。さすがに版画の専門家として大学で
教鞭をとっているだけあり、銅版画の手法を応用した表現やインクの固さ
を変えて刷る方法など大変面白かった。自分の教室でも紹介してみよう。