石膏デッサン

2018年1月3日

2006/04/04
新学期を前に受験部の問い合せも多くなってきた。アートやデザインの世
界は今でも特殊なものと思われている節があり、親御さんにしてみれば、
美術予備校とはどんなところか明確なイメージが出来にくいようだ。中に
は全員石膏デッサンをやるものと思い込んでいる方もいる。
芸大の油画科入試から石膏デッサンが「追放」されてから30年以上たつ
が、いまだに美大受験といえば石膏デッサンというイメージが根強いのだ
ろう。確かにフォルムをとらえる訓練としては比較的有効だが、「石膏像
が描ければ何でも描ける」みたいになると首を傾げざるを得ない。
もしそうなら、各美術大学の入試はすべて石膏デッサンになっているので
はないだろうか?形体を正確に写すという性格上、訓練すればある程度上
手くなるので「努力できるかどうか」をみることは出来るだろうが、才能
を見つけ出せるかは疑問だ。基本訓練の一つくらいに思ってほしい。
様々な表現形態が併存する現代。何か一つの指標ですべてを語ることなど
できない。だから教える側も日々研究と努力を続けなければ。もしも「こ
れが出来ればすべてに通じます」なんて甘言を聞いたら、まずは疑ってみ
てください。そんなに芸の道は単純でも簡単でもありませんから。
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