伊藤航展

2018年1月2日

2011/02/18
110218_01.jpg 110218_02.jpg
アトリエ新松戸OBで今年、東京藝術大学工芸科を卒業する伊藤航くんの個展にお邪魔しました。会場は銀座4丁目のGallery-58。おりからの強風で千代田線のダイヤが乱れていて、時間までにつけるかどうか不安だったのですが、どうにかギリギリにたどり着きました。
伊藤くんは高校生の頃から、特に紙を使った立体造形で目を見張る作品を作っていました。藝大では漆芸専攻に所属していましたが、基本は紙のようです。今回の展覧会には、新しく出来た羽田空港からイメージを膨らませた、海に浮かぶ空港と旅客機、そして屋形船をモチーフにしていました。
彼が予備校生の頃は、「もう少し抽象的な発想は出来ないのか?」なんて感じたりしたのですが、いまとなっては見当違いなものだったようです。なんといっても、その技術力が群を抜いています。白い紙だけでこれだけの表現力が発揮できるのは、本人の修練の結果なのでしょう。個展には、藝大の卒展で知り合ったキュレーターや建築会社の方、紙の造形作家が多く訪ねてきたそうです。彼の作家、あるいは職人としての第一歩がすでに踏み出されているようです。
彼は受験に関しては5浪とずいぶんと苦労しました。しかし、大学卒業時点での自分の立ち位置に関する冷静な判断と、何よりも技術力。自分の学生終わりの時に比べて、はるかに明確なビジョンを持っていると感じ、頼もしく思いました。同じように、少し遠回りしたけど、だからこそ着実な道についたOBも多くいます。我々は受験屋さんではありますが、現役合格だけが幸せに繋がるのではないとあらためて認識した今日でした。
画像は暗い会場での写メなのでピンぼけでごめんなさい。
にほんブログ村 美術ブログへ にほんブログ村 教育ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ 美術予備校|アトリエ新松戸