全員集合(帰省その2)
朝、降り注ぐような蝉の声に目を覚ます。予定では、この夏に亡くなった
叔父の霊前に線香をあげ、その後海水浴場へいくことになっていた。遅い
朝食後、とりあえず父の車を借り母と娘と一緒に岡山の亡くなった叔父の
家へ。しかし途中猛烈な雨が……。海水浴はあきらめる。
この日はお盆の中日。妹達からは「お盆に海に入ると足を幽霊に引っ張ら
れる」と、冗談まじりに脅かされていた。確かに昔は、そんな言い伝えを
信じてこの時期に海水浴にいくことなどなかった。迷信なんだろうが、こ
の雨で海に行かなくて済んだことで、半分安心している自分がおかしい。
雨と地理に不案内なこともあり、迷いながらも、どうにか叔父宅たどり着
き、線香をあげて般若心経を唱える。父方の祖父が亡くなったのは、僕が
ちょうど娘の年齢の時だった。あの時は四十九日まで毎日兄弟でお経を唱
えていた。当時のことを思い出し、いろいろな思いが錯綜する。
夕方、上の妹一家が墓参りに来る。夫婦と娘3人。下の妹は実家のすぐ近
くに居を構えていることもあり、この日は兄弟とその家族ほぼ全員集合。
こうして顔を合わせるのは年に一度。子ども達の成長とともに、年々妹達
は母親に、僕は父親に似てきている。こうして血は繋がっていくのだろう。
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