絵を描く意味

2018年1月3日

以前、酒井式について書いた記事にコメントをいただいた。学校教育の中
で「絵を描かせる意味」ってなんだろう…と。僕は、本来的な意味で「自
由に描く」ことを通じて、子どもが自分に自信を持ち、他人を尊重できる
存在に成長できるのではないかと思っている。
前提として「絵に失敗はない」。確かにうまくいかないこともあるだろう
が、そんなときはやり直せば良い。みんなが職業画家になるのではないの
だから、上手に描けたかどうかよりもモチーフに向き合って観察し、画面
の上で試行錯誤する。その過程に意味を求めるべきだと思う。
そこで大切になるのが「自己決定」。学校で習うことの多くには答えが用
意されているが、実際の社会ではそうではない。ひとつの事に対して様々
な評価があるのが普通だ。結局答えは自分で作り上げるしかない。これは
真っ白な画面に自分の意志で線を引き、色を塗っていくのに似ている。
最後に「相互理解」。上手下手だけで作品を判断するのではなく、捉え方、
表し方の多様性を認め、他人のそれを尊重する。これが一番かもしれない。
「自由に描く」という事は放任主義ではない。これらを実現するには、指
導する側にも不断の努力が必要だ。でもそれに見合う成果はあるはずだ。
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