経験すること
同じ松戸市内に住む筑波大学時代の恩師宅にお邪魔して、パソコンとイン
ターネット関係の設定を手伝うことがあった。恩師は現在、大阪芸術大学
の美術学科で教鞭を執られている。同学では、昨年キャラクターデザイン
学科ができた影響で、美術学科の受験生が減ってきたという。
今、中学、高校では美術の授業時間数が減少していて、油絵に触れる機会
のある学生はごく限られている。アトリエ新松戸の取り組みとして、高校
1,2年生対象の基礎科では、志望コースに関わらず全員に油絵を体験さ
せている。そうしたところ、油画科志望者が増えた事象を紹介した。
油絵具はルネッサンスから続く伝統的な素材だ。それまでのテンペラやフ
レスコに比べ、その表現技法に制約が少ない。実際に油絵具に触れてみて
「自分のドロドロしているところが表現できる気がした」という理由で油
画科を選んだ学生もいる。これまでには無かったパターンだ。
今はデジタルの時代で、パソコンで何でもできてしまうような気になるか
もしれない。しかし、リアルな物質による表現は、素材の存在自体が直接
的であるがためによりストレートに観る人に届く。まずはリアルの世界で
経験すること。当たり前のことが、その人の可能性を広げるのだ。
学生たちは、アトリエの専門家用絵具、溶き油、筆やナイフを借りて体験します。
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