職業観

2018年1月3日

美大芸大美術高校受験、カルチャー教室の看板を出していると、本当にいろんな人が門を叩きます。単純に絵を描きたいとかデザインの勉強をしたいといった理由以外で、最近多いのはアニメーターやゲームのキャラクターデザインをやるために進学したい、基礎を習いたいといった類いでしょうか。
進学目的であれば、しかるべき教育機関を紹介し、入試に必要な実技の訓練を行うのが我々の仕事です。しかし、才能というほどではなくても、かなりの部分本人の資質に依存することも確かです。子どもの頃から絵を描くのが好きで、紙と鉛筆があれば何時間でも飽きないといった人なら、多少学力が不足していても、人付き合いが苦手でも、何とかなるものですが、中には「本当にそうなの???」という人もいます。
人生を決定するような出会いは人それぞれなので、他人がとやかく言うことではないかもしれませんが、自分の適性についてもう少し考える機会がなかったのかと思わずにはいられません。ひょっとしたら、この人はアニメやゲーム以外の世界とつながったことがないのではないかと思ったりもします。経験がなければ、その職に就いたときの未来をイメージできないのは当然です。そういった意味では、選択肢自体がないところからスタートしているのかもしれません。
子どもの頃からいろんな人と出会い、「大人として家族を支える」姿を目の当たりにする経験が日常的にあれば、きっといろんな選択肢も見えてくるのでしょう。やっぱり、夢を実現するための進学や訓練であり、それ自体が目的化してはいけません。しかし、小中高校や僕たちのような予備校ではできることに限りがあります。これは家庭や地域の取り組みなしには解決しない問題でしょう。そういった意味で教育問題は、学校だけではなく、これからこの国をどうしていくのかという国民全体の問題なのでしょう。
にほんブログ村 美術ブログへ にほんブログ村 教育ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ

日記

Posted by hideta