この日はアトリエ受験部の1学期の最終日。朝から昼間部総出で大掃除。
夏期講習会を前に、アトリエをリフレッシュする。各教室のカーテンを洗
濯し、モチーフ倉庫の中をいったん全部出して掃除、モチーフを選別して
半分くらいに減らす。これをやらないと、どんどん使い勝手が悪くなる。
カルチャー教室は通常営業なので、若手のスタッフにこれらの作業はお願
いした。午後のクラスでは「人あつまり展」に出品したコラグラフを囲ん
で生徒さんと談笑。このクラスではコラグラフで1ヶ月引っ張った。若い
人が多い事もあり、この技法と「ノリ」が合ったのかもしれない。
3時からは、「人あつまり展」のパーティーがだったが、その時間はまだ
教室の授業中。終了後4時30分頃から参加した。会場についた頃には、
皆さん上機嫌だった。いつもなら2次会、3次会と盛り上がるところだが、
この日は6時から松戸美術会の理事会が入っていた。
パティーもそこそこに切り上げ、定時に会場である松戸市民会館に到着。
市展の反省やお正月の美術会展に向けての話し合い。定刻の8時に終了。
美術会は会員の交流と親睦を目的とした緩やかな団体故、会則など不備な
点がまだ多い。今後の検討課題となる。という訳で、多忙な一日。
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「人あつまり展」には、こんなコラグラフを展示しました。
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自由制作展DM完成
9月10日と11日の2日間、アトリエ新松戸4階で行われる受験部の学
生達による自由制作展の案内はがきが印刷所から届いた。この展覧会は毎
年、昼間部生の中から実行委員を募り、彼らが主体になって情報宣伝から
会場設営、受付など、すべてを学生の自主運営で行っている。
今年のキャッチコピーは「裸侍魂(らじこん)」。制作者としての裸の心
と侍の魂を掛け合わせた造語だそうだ。彼らの若々しく、ちょっとあおい
くさい心意気のようなものがよく表現されたいいコピーだ。案内状のデザ
インも、その雰囲気が伝わるようにずいぶん工夫されている。
宛名面の下地には、彼らの考えた「裸侍魂宣言」がうっすらと読める。地
図もまるで「書」のように筆を使って書かれている。写真面には締め込み
をした実行委員が、実際にアトリエの屋上で特大の筆を振り回して「裸侍
魂」と真っ赤な絵具で書いている様子を撮影した写真を使った。
今年の実行委員は本当によく動く。案内状の制作途中でダメだしされても、
自分達で考えて、めげずに次の行動をとれるのが頼もしい。実行委員達が、
ここでの経験からどこまで成長していくか、そして他の学生達も制作して
いく中でどれだけ自分自身の「裸の魂」と向き合えるか。期待したい。
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左が宛名面。右が写真面。
人あつまり展・会場レポート
人あつまり展開催
7月13日(水)から新松戸のギャラリーウィンズで「人あつまり展」が
始まった。会期は7月18日(月)までの6日間。入場は無料。土曜日に
は、併設の喫茶「カ・ドゥ」で3時からパーティーも行われる。お近くの
方はぜひ足をお運びください。
この日は朝から搬入と展示。とはいえ仕事を持っているメンバーもいるの
で、全員集合というわけにはいかなかった。フラワーデザインの安蒜さん
は、ヨーロッパから今日帰国。その足で会場に駆けつけるという。とりあ
えず、いるメンバーで作品の場所を決め夕方までかかって展示終了。
昨年の展覧会はギャラリー移転の影響などで、のびのびになっていた活動
のリスタート。その休止期間中に加わった新しいメンバー2名が初出品す
る2年ぶりのものだった。創立メンバーの退会などもあり、大きく揺れて
いた時期を乗り越えての展覧会だったこともあり、感慨深いものがあった。
今回の展覧会では新メンバーになって2回目という事もあり、すこし落ち
着いた展示になったような気がする。もう少し冒険してみても良かったか?
マンネリに陥らず、自分自身もっと作品のクオリティーを上げ、切磋琢磨
していける会にしていかなければ。ぜひご高覧ください。
河合塾全統私大模試
アトリエの受験生全員を対象にした「河合塾全統私大模試」を自校開催し
た。なんやかんや言っても受験予備校。自分の学力を客観的に判断する全
国模試は必須だ。8時50分入室開始のスケジュールだったが、現役生を
中心に8時20分頃には門の前に多数の学生が集まっていた。
その事だけに目を向ければ、なかなか真面目で頼もしくもある。しかし、
それがそのまま成績に反映されないところが悩ましい。現時点での勉強の
できるできないは、これまでの積み重ねの差だ。足らない分は、これから
受験までの間に、こつこつとがんばって埋めていくしかない。
それよりも、答案に規定の事項を記入できない学生がここ数年増えてきて
いる事が気になる。この日も口を酸っぱく注意したが、受験型やクラスな
どの欄を見落としたり、記入方法を間違えた学生が数名いた。話を聞いて
みると、冊子に書かれている注意書きもよく読んでいないらしい。
単に注意力が散漫なのか?このような答案を見ていると、本番の試験でと
んでもないポカをやらないか心配だ。まずは「他人に評価される」という
意識を持たせる事が大切だろう。しかし考えてみれば、それは自分の作品
を客観視する事に通じる。常に本質に立ち返れば、無駄な経験などはない。
作品掲載&反省しきり
「松戸美術協議会のホームページ」の更新作業を行った。このサイトを立
ち上げて約2ヶ月、少しずつだがコンテンツも充実してきている。今回は
サークル会員で、僕も所属する「松戸美術会」のページに、日本画、洋画、
彫刻の3分野、90名の作品を掲載した。こちらから
90名分の画像データをアップするとなると、通常ならレタッチや色合わ
せなどで、かなりの作業量になる。しかし、今年は「第40回記念図録」
を作ったので、すでに修正の終わった画像データがある。それをWEB用
に変換してアップした。おかげで、小一日で作業を終了できた。
思った以上にすんなりと作業が終わったので悦に入っていたら、協議会の
会員から別件でメールが届いた。なんと5日に発送した会報の号外に掲載
したURLが、間違っていたとの事。今回の号外は、WEB開設のお知ら
せが主な内容だったので、これでは本当に意味がない。
早速事務局長にメールをいれ善後策を検討するも、出してしまったものは
戻ってこない。この号外は、市展の搬入前の忙しい時期に、事務局長と僕
との間でFAXで校正を行ったものだ。やはり校正は複数で顔を突き合わ
せてやらなければいけない。反省し次回に生かそう。
みんなちがって、みんないい
「美術と自然と教育と」の「広げる研究しないといけない」から「おおは
しわあるど=ぶろぐ=」の「作品展審査を終えて」、「野口家の徒然なる
ままに」の「子どもにとって絵とは?」という記事にたどり着いた。どち
らも、子どもたちの図工・美術教育についての問題提起だ。
幼児や児童だけではなく、専門教育の一歩手前に位置する美術予備校でも
同じような問題を抱えている。合格という結果を求めるあまりに、講師が
受験生時代にやったコピーを学生にやらせてしまうことなど、美術の本質
からかけ離れたことがあちこちで行われている。
金子みすゞではないが、「みんなちがって、みんないい」のだ。制作とは
自分で観て、感じて、考えて、作り出す。そんな能動的な作業だ。それな
のに先回りして安易に手を差し伸べる講師。失敗を恐れ、はじめからどう
したらいいか聞きにくる学生。そんな馴れ合いの先に、個の確立はない。
それぞれの違いを認め合うためには、しっかりとした制作者としての軸と、
経験に裏打ちされた知識が必要だ。当然、教える側は常に研鑽を積み、真
摯に表現に向き合っていなければならない。予備校で初めて本格的な美術
の世界に触れる学生が多くなってきた今、我々の責任も大きいはずだ。
ジェフ・ベック
「ロックギタリストには2種類しかいない。ジェフベックとそれ以外だ」
といったのはポールロジャースだったか?しかし、ギタリストを「ギター
という楽器を爪弾く人」と規定するならば、今のベックはすでに例外的な
存在だ。弾くとか奏でるというのではなく、楽器自体が身体になっている。
そんなベックのコンサートに行った。ある意味、天才の気まぐれにどれだ
けつきあえるか、共演者やオーディエンスも試されるステージだ。とにか
く「普通」には弾かない。ピッキングハーモニックス、アーミング、スラ
イドなどなど、同じフレーズでも何種類ものバリエーションで聞かせる。
ベックがギターを弾き始めると「どうやって弾いてんの?」と、観客は覗
き込むような姿勢になる。まさに技の博覧会状態。しかし、それが単なる
曲芸で終わらないところに凄さがある。すべてが必然なのだ。40年間エ
レクトリックギターによる表現を追求してきたベックの姿に感銘を覚えた。
出色だったのは「ベックズ・ボレロ」「ダイアモンド・ダスト」そしてア
ンコールの「オーバー・ザ・レインボウ」だ。「~ボレロ」は35年以上
前に録音された曲だが、今聞いても全く違和感がない。そして、あの名曲
「~レインボウ」の美しさ…同じ空気の中にいること自体が至福だった。
死神の精度
午後、時間を作って青山ブックセンターへ。ギャラリースペースで開催さ
れている「藤里一郎写真展」にお邪魔する。藤里さんには、2年前に学生
対象の「写真撮影ワークショップ」でお世話になった。その縁で、その後
もお忙しい中、展覧会の案内を送ってきてくれる。
この写真展は、伊坂幸太郎さんの「死神の精度」(文芸春秋社刊)とのコ
ラボレーションだという。予習のため、急いで新松戸駅前の書店で購入し、
電車の中で読みながら会場に向かった。物語もすばらしいのだが、その装
丁と写真とが相まって、作品の世界にぐいぐいと引き込まれた。
伊坂さんは、千葉県の出身。高校はアトリエに最も近いK高校を卒業した
のだそうだ。直接面識はないのだが、親近感を覚える。物語は、登場人物
が死すべきか否かを判断するために、死神がその人を観察する1週間に起
こる事件を6つにまとめたオムニバス形式のファンタジーだ。
死神のモデルは、コンドルズの近藤良平さん。あの人間離れした存在感は
死神にふさわしい。このコラボレーションをセッティングした、ATGの
O君、N君そして藤里さんに会場でお会いできた。ほんの少し前まで、伊
坂さんも居たらしい。才能は互いに求め合う。そう感じたひと時だった。
人あつまり展
7月13日から18日の会期で「人あつまり展」が開催される。会場はい
つものギャラリーウィンズだ。「人あつまり会」ではギャラリーオープン
当初から、宣伝をかねて「人あつまり展」を開催してきた。昨年からは地
元作家を集めての「チャリティー展」も行っている。
ギャラリーが、現在の場所に移転してから1年半。リニューアルオープン
当初は、入り口のカフェもなく何とも寂しい会場だった。そのせいもあり、
その頃に展覧会をやったグループのリピーターがほとんどいないという事
態になり、今年の前半は会場の空きが目立った。
しかし、昨年4月にカフェが開店してからは、雰囲気も良くなり一気に人
気が高まった。松戸市内には、民間のギャラリーがほとんどないこともあ
り、今年の後半の予定はすべて埋まってしまった。おかげで、当初9月に
予定していた我々展覧会の会期をずらさなければならないことになった。
うれしいやら、困ったやらだが、地域にアートを発信する場が根付いてき
たことを素直に喜びたい。日曜日に会合があり、新事務局から案内状が配
られた。ジャンルもバックボーンも全く異なるメンバーの展覧会だが、な
ぜか毎回しっくりと会場内に収まる。今回はどうなるのか、楽しみだ。
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