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藝大の発表も終わり、昨日の土曜日が受験部のデザイン・工芸科、油画科、総合受験科、基礎科の最後の授業でした。
とはいえ、受験の終わった子達のほとんどはもう通ってきていなかったので、高校1・2年生対象の基礎科と総合受験科の学生がチラホラと言う出席状況。教室の中は広々と言うか寂しいと言うか。。。この時期独特の雰囲気でした。

単位制受験科と中学生美術科は、月謝制ということもあり、独自のスケジュールになっているので日曜日の今日も授業をおこないました。こちらも受験を区切りに退会する学生、継続する学生、他のクラスに移籍する学生、年度替わりで新しく入ってくる学生と、教室の空気はいつもと違います。少し、バタバタとした雰囲気になりがちですが、制作に集中して取り組めるよう心を砕いています。月曜日からは三者面談もおこなって、これからの学習と進路について親御さんも交えてじっくりと考えていきます。

画像は帰り道、新松戸駅の裏手の畑で見つけた梅の花です。トップイメージも同じ場所に咲いていた菜の花。春は着実に近づいているようですね。
帰り道で見つけた梅の花

藝大発表

今日は東京藝術大学の合格発表の日。毎年のことですが、朝からソワソワして落ち着きません。

お昼頃に発表を観に行ったS先生より連絡があり、総合受験科所属のNくんが先端芸術表現科に合格したとのこと。
いやはや、ホッとしました。

合格速報のページ

今年度は、昨年の入試でほとんどの学生が合格したため、ほぼ現役の高校生によるチャレンジでした。その中でNくんは働きながら進学を目指す、一昔前の言葉で言えば「苦学生」。その彼が藝大の門をこじ開けたというのは、後輩達にとっても大きな励みになるかと思います。

今回の入試で結果が出なかった学生にとって、高校生でもない、大学生でもない「浪人」という一年は、中途半端で不安な期間かもしれません。でも、その過ごし方によっては、これまでとはずいぶんと違った風景を見せてくれるはずです。それを信じて、一歩一歩進んでいってほしいと思います。

渋谷良子個展

人あつまり会、松戸美術会の先輩、渋谷良子さんの個展が、京橋の並樹画廊で開催中です。
今日の午後にお邪魔しました。
今回の展覧会は二科会の「画廊賞」を得たことで企画扱いでの開催だそうです。
画廊街の路面店での開催。羨ましい限りです。
会期は16日の日曜日まで。

並樹画廊

お邪魔したときはお客様が多数来廊されていて、画像を撮ることができませんでした。
画廊のサイトに展覧会の案内状か会場画像があるかと思ったら、そういった画像はありませんでした。
銀座の貸し画廊の中には、Webなどでの情報発信に積極的でないところも見受けられます。
なかなか情報宣伝にお金をかけられない現実もあるかと思いますが、スマホで調べられないとお客さんもたどり着かないんじゃないかな?なんていらぬ心配をしてしまいます。

トップ画像は松戸駅のペデストリアンから見た伊勢丹の画像です。本文とは全く関係ありませんが、最近の子どもおよびその保護者向けのアプローチで何となくではありますが、元気になっているなと思ってのアップです。

バッグ制作中

毎年6月におこなわれる新象展。
今年は同時期にギャラリー銀座一丁目で「アーティストバッグ展」を有志にて開催。一層のアピールを試みます。

旗ふり役は「軍手アーティスト」の相本さん。
アイデアウーマンで、いろいろなことを提案してくれて、本当にありがたいです。
新象作家協会の会員情報ページ
前回の出品作品

期限を少し過ぎているのですが、どうにかこうにか制作中です。
アーティストバッグ

トップイメージは、試し描きの部分。
日頃は布に下地処理をして描いているのですが、今回は縫製する為に極力薄描きでという要望だったので、直接アクリル絵の具を使って描いています。しみ込む感じがなかなか面白いです。さて、どんな仕上がりになるのか、楽しみです。

画用液

今日、ホルベイン絵具のTwitterで画用液に関するツイートを目にしました。

☆ホルベイン絵画材料情報☆
【水可溶性油絵具DUO / その11】
さて4つめ。薄め液→のり→ニスと きましたが、これらを全てゼツミョ〜な割合で調合されているのが『ペンチングオイル』『ルソルバン』というわけです。所謂 調合油です。

20140302_01
連投で各種画用液の成分や使用法を解説されているのですが、ふと「パンドル」など「描画用ワニス」と「ペインティングオイル」の違いは何処にあるのかという疑問がわきました。

油絵の画用液は、単純に言うと「糊の役割を果たす乾性油」と「薄め液の役割の揮発精油」、「樹脂を揮発性油で溶いて見た目の乾燥スピードを上げる樹脂溶液」、「乾燥を早める触媒の役割を果たす速乾剤」の4種類があります。

それぞれに

乾性油:乾燥スピードは遅い。乾燥したら表面に膜をつくり固着する。固まったら再度溶解はしない。
揮発精油:乾燥スピードは速い。乾燥は蒸発なので固着力無し。
樹脂溶液:揮発精油の蒸発スピードで固化する。再度揮発精油に触れると再溶解する。
速乾剤:主に乾性油の酸化重合反応を即する。入れすぎると絵の具の乾燥後にひび割れ、剥落などを引き起こす危険性がある。

といった性質を持っています。

感覚的には、ワニス=樹脂溶液というイメージがあったのですが、件のツイートを見て「そういえばパンドルは<ヴァニス ア パンドル>って呼ばれていたよな?」と気が付きました。

言葉の定義としては、「ワニス=透明塗料のこと」だそうです。
ワニス(コトバンク)

パンドルやペインティングオイルは、画学生の時代はそこそこ使っていましたが、ダンマル樹脂溶液を自作するようになってからは、必要に応じて乾性油、揮発精油、樹脂溶液を自分で調合するようになり、速乾剤は使わなくなりました。必要がなくなったということです。

実際、パンドルとペインティングオイルの構成物はほぼ同じで、多少配合が違うくらいです。
という訳で、教室では乾性油:樹脂溶液:揮発精油=1:1:2 の調合の画用液を自分で作る事を勧めています。乾性油分はリンシードオイルを基本にしていますが、それをポピーオイルやスタンドオイルに変更すると、筆さばきの問題で多少調合が異なってきます。

ツイートのあるようにメーカーのつくる調合油ではそれぞれの成分が「ゼツミョ〜な割合で調合されている」のでしょうが、それを自分でつくるのもまた勉強かなととも思います。

須貝仁教室展

松戸美術会の先輩・須貝仁さんが主催するスケッチ会の展覧会が松戸のギャラリー宇で開催されています。

須貝仁絵画教室展
須貝さんが自家用車で搬入した木材です。雪の日に松戸市運動公園に落ちていたそうです。

須貝仁絵画教室展
諸々な素材を駆使してすてきな空間を演出するのは、グラフィックデザイナーとして長年取り組んできた成果なのでしょう。

須貝仁絵画教室展

ウィスキーのポケット瓶に生徒さんの作品をラベルにして貼付けていました。色使いやレイアウトはさすがです。
ウィスキーのラベルにもなりました

ご本人の作品。
主催の須貝さんの作品

他にもいろいろと観させていただきました。
須貝仁絵画教室展

ギャラリー宇は、会場の雰囲気もやわらかくすてきな空間です。また、夏にはOBなんかを誘って展示会を開催できればなんて思っています。
須貝仁絵画教室展

クラウドフォント

アトリエ新松戸デザイン室では、モリサワフォントの「Type Square」というクラウドフォントサービスを受けることになりました。

クラウドフォントとは、閲覧者のディバイスのOSやブラウザのデフォルトフォントではなく、制作者側の意図するフォントをクラウド経由で表示させられるサービスです。これにより、Windows環境でも、アンチエイリアスの効いたヒラギノフォントなどでウェブページを閲覧することができるようになり、可読性は格段に高まります。

元々は株式会社モリサワの「MORISAWA PASSPORT ONE」を購入して、DTP分野で活用していたのですが、費用対効果としてどうなんだろうと思っていました。しかし、「Type Square」とのカップリングのプランだと、すべての書体がドメイン無制限で使い放題だとのこと。これは有効に活用しなければと思った訳です。

まずは、お手伝いしている各サイトの中で、比較的構造のシンプルな「たかの税務会計事務所」に適用させていただきました。
特に、ナビゲーションメニューと見出しで安定した結果が得られたのではと感じています。

これから、他のサイトにも適応していって、読み易さと表示の軽さ、斬新なデザインを実現していければと思います。

東北芸術工科大学卒業制作展

2月26日(水)は、リサーチも兼ねて様々な専門学校、美術大学の卒業制作展を見て回りました。そのなかで、衝撃を受けたのは、東京都美術館で開催されていた「東北芸術工科大学 卒業・修了展」です。

我々は、受験予備校という立場上、どうしても大学のランクを受験倍率で判断しがちです。
東北芸術工科大学は、名前を書けば入れる大学があちこちに出てきている中で、しっかりと入試はおこなっていますが、ちゃんと準備をしておけば、正直、それほど難易度の高い大学ではありません。ところが、今回の卒業制作展の展示を見て、これまでの認識が大きく変わりました。展覧会としてのクオリティーに、興奮を抑えることができなかったのです。

第1室の展示風景
東北芸工大卒展風景

アトリエ新松戸の卒業生、太田菜月さんの作品「Re:me」
太田菜月;Re:me

同じく卒業生の太田皐月さんの作品「日向庭景色」
太田皐月「日向庭風景」

久松知子さんの作品「日本の美術を埋葬する」
久松知子「日本の美術を埋葬する」

佐藤未希さんの作品「森を裏返す」「うつるをよむ」
佐藤未希「森を裏返す」「うつるをよむ」

同じく佐藤未希さんの作品「snow wave」
佐藤未希「snow wave」

財田翔悟さんの作品「何も言わずに」
財田翔悟「何も言わずに」

第1室の展示風景
東北芸工大卒展

第1室の展示風景
東北芸工大卒展

金山友美さんの作品「つちにかえる」
金山友美「つちにかえる」

永井里枝さんの作品「雨ざらしのエチカ」
永井里枝「雨ざらしのエチカ」

第1室の展示風景
東北芸工大卒展

このあと、新美術館で「5美大展」も観たのですが、正直な感想として、展覧会としてのパワーで完全に負けていました。
同じ20代前半の人たちです。技量でいえば、それほど差があるとは思えませんし、個々人としてはすごく良いものを持っている人も見受けられました。しかし、会場全体から伝わってくるパワーが違うのです。東北芸工大が先生も学生もチームとして一発当てに来ているのに対して、5美大展は学生達がそれぞれ個人で戦っているような印象です。(ただし、女子美の展示には戦略が感じられました)

展覧会のレギュレーションの問題で「東北芸工大=∞」、「5美大=S100号まで」みたいなものはあると思いますが、学部の卒業制作で横幅6m50cmの作品を描くだけのスペースと時間を確保していることに、卒業制作展にかける大学側の意識を感じます。それは、会場に置かれていた「だれでもはじめはヘタクソ」という冊子に掲載されている宮島達男副学長の「(天才ではない)99%のための芸術大学」という文章からも伝わってきました。

ひょっとして、これは新しい美術、芸術大学のあり方を示しているのかもしれないと思った展覧会でした。
入試倍率の低下が著しい中、関東の有名私立美大および東京芸大も、本気でこれからの教育のあり方を考えなければ、その立場を維持することはできなくなってきていると切に感じました。

合格体験記更新

アトリエ新松戸受験部のウェブサイトを更新して、合格体験記’13年度版に油画科から女子美術大学に合格したIさんの記事をアップしました。
「相当な覚悟が必要だと思います!」

美術の先生になることを夢見てはじめた美大受験。外部のコンクールで受験と言う現実と向き合ってからの苦悩が彼女を成長させたようです。人それぞれ、次のステップにいく為には、嫌なこと、つらいことを通り抜けなければならないものです。受験直後に書かれた文章なので、ちょっとネガティブな言葉が並んでいますが、今話を聞けば、また違った答えが返ってくるかもしれません。

いつもなら今年度の合格者の体験談を掲載する時期なのですが、忙しさにかまけてアップしなかった13年度の学生達からの原稿の束を再発見し、これではいかんと発心しての今回の更新です。

Iさんだけでなく、13年度バージョンで頂いている原稿がまだ数名分ありますので、まずは彼らの体験記を全てアップしようかと思います。14年度バージョンは現在鋭意準備中ですので、今しばらくお待ち下さい。

画像は日曜日に貼り出した「合格おめでとう短冊」です。昨年退職されたSさんに特別に書いていただきました。毛筆で書かれた文字はパソコンとプリンターで打ち出したものとはやはり違います。これから国立大の入試が始まります。短冊の数は何処まで増えるでしょうか?
合格おめでとう短冊

クロッキー

月に一度指導にお邪魔している「松戸女性洋画教室」。2月3月は、人物課題です。
アトリエ新松戸のOBやOGたちのお小遣い稼ぎにもなるということで、学生がお休みになる2月3月と8月におこなっています。
今回は、今年、女子美術大学に合格したOさんにモデルをお願いしました。

人物課題のときに問題となるのはやはりプロポーションなど、形態の把握の部分です。
言葉で説明してもなかなか伝わらないことが多いので、自分自身、生徒さんと一緒にクロッキーをおこなっています。

最初のポーズ。身長が高く、手足の長いOさんのプロポーションの把握に苦労しました。
人物クロッキー

影をつけたバージョン。コートを着ているため、左手の袖口から指先の表現が難しかったです。
人物クロッキー

頭部のズームアップ。若々しい感じがもう少し出ればよかったかな?
人物クロッキー

初めてモデルをやったOさんは興味津々で、生徒さんのスケッチをポーズの合間に見て回っていました。

僕は日頃、エスキースやクロッキーにボールペンを使っています。面倒くさがりな性格が影響しているのでしょう。
普通、美術学校では鉛筆や木炭がスケッチやクロッキーの画材と使われているので、Oさんはちょっと驚いたようです。

生徒さんにもお話ししたのですが、デッサンやクロッキーは「それを超えて次にいく」というよりも、「どの段階でもやり続ける」ものだと思っています。素材や対象は何でも良いので、とにかく描き続けることに注力してほしいと思います。