もしも小学校で図工を教えなくなったら

2018年1月3日

中教審では、小中学校での図工、美術の選択制への移行も検討されている
と聞く。学力を伸ばし「国際競争力」をつけるために、主要教科へ授業時
間を重点配分するとのことだ。そうなると、必然的に「主要でない(?)」
科目へしわ寄せが起こる。しかし、そこに国家戦略はあるのだろうか?
「国際競争力ってなんだろう?」と考える時、町工場のことが思い浮かん
だ。ITバブルといわれる今日だが、日本経済を支えているのは、やはり
製造業ではないだろうか?そして、日本製品のクオリティーを支えている
のが、下請けといわれる中小企業の技術力、いわば職人の力だ。
そんな技術力の基本にあるのが、手先の器用さだ。これには先天的な要因
もあるだろうが、何よりも箸の持ち方といった家庭でのしつけや、実際に
ものを描いたり作ったりすることで養われる資質に違いない。そして、国
民全体に平均的な器用さがあるからこそ、超人的な職人技も生まれてくる。
学校で手先の訓練が行われる教科は何だろうか?それは図工や美術。技術
家庭科もそれにあたるだろうか?それが選択制になるという事は、国家と
して技術力の養成を軽視するという事になるのではないだろうか?この国
はどこに向かうのか?考えているうちに恐ろしくなってきた。